診療放射線技師の業務は、人間ドック及び一部外来の撮影業務が主となります。私はそれ以外に自治体や企業を対象とした渉外業務、大手企業での健診の現場責任者も兼務しています。一般的な技師では営業で外に出る機会が少ないかと思いますが、セントラルクリニックでは、技師であってもスーツを着て営業をしたり、様々な仕事を任せてもらえます。これはセントラルクリニックの1番の強みであり、面白みであると思います。
技師が営業に行くメリットとしまして、他の営業とは違う視点から踏みこんだ内容にも回答が可能であることが挙げられます。お客様から癌について質問されたときにも、肺癌や胃癌について専門的に答えられる点は大きいと思いますね。特にレントゲン関係のことについて踏み入ったお話が出来た上で、「ではお願いします」と言われた時の喜びはひとしおです。
本来放射線技師としては上層部の方と話す機会がなかなかないと思いますし、企業相手にスーツを着て放射線技師が行くという機会がまずないものですから、営業活動をすることは自分自身の世界も広がりますし、面白いと思いましたね。現場の人間と外に出る人間はやはり話し方が違うものですから、自分の話し方や知識において得るものは多く、とてもためになりました。技師の仕事以外にも、こういった仕事がやりたいだとか、自らビジョンを持ち提案することで、会社のプロジェクトとして推していってもらうことも可能です。発案することが得意な方であれば、会社として積極的に話を聞く姿勢があります。
私が現場責任者をさせていただいているA社様には3年前からセントラルクリニックの施設を導入いただいておりますが、お陰様で好評をいただいておりまして、現在3拠点まで拡大しています。私は3拠点のうち1拠点での責任者をさせていただいておりますが、好評いただき拠点展開を続けている中でその責任は重く感じますね。A社様のセントラルクリニックに対する信頼を裏切らないよう、意思疎通や言動には充分に注意を払っています。
セントラルクリニックでは、6年程前からそれまで紙ベースで健診の納品をしていたものを、ペーパーレスな電子データの納品への変更に向けて動き始めていました。そこでA社様にも電子データ納品を活用できるのではないかと考えまして、当時のデータ課などを巻き込みA社様へ提案させていただきました。
導入後、A社様からはペーパーレスでの資源削減とともに、それまで業務委託として人材を置かざるを得なかった部分の削減や、電子データ納品では当日にA社様側でもその場でシステムにアクセスし迅速に従業員の結果を出すことが出来る点など、多くの点でご好評をいただいています。
この電子データ納品には事前準備が必要となりますので、慣れるまでは少々時間がかかりましたが、セントラルクリニックとしても一番避けなければならない転記ミスが無くなったということと、またタブレット端末を使うものですから、本人様の回答に相違があるとシステムで弾いて再回答を促してくれますので、業務が安全かつ効率的になり、また業務量も軽減し、随分楽になりました。
技師が撮り手として下手な写真や、病変を見逃すような写真を撮ると、最終的に判断する医師の見落としの原因ともなります。その責任は重大ですから、技師も医師と同じくらいの知識は必要かと考えています。
通常の撮影では、肺の検査は正面1枚で終了ですが、胃のバリウムの検査では15~16枚の写真を撮ります。そのようなルーチンの撮影枚数以外にも、技師が何か異常を見つけた場合はさらにその場所を重点的に撮り、病変をわかりやすく撮るために、追加で20~25枚程撮ったりしますね。
胃袋に入ったバリウムは時間をかければかけるほど腸に流れてしまいます。バリウム検査では、検査のできる時間に限りがありますので、時間内に胃袋に溜まったバリウムでいかに異常がないかを確認し、もしくは病変を探し出す必要があります。
医師の読影に影響が出る可能性もありますので、間違いのない読影のためにも、技師は病変を見つけた時には、はっきり悪性か良性かをアピールして写真を撮らなければなりません。
医師が読影する前に技師の目線からの初見を技師コメントとして提出するのですが、的外れなものを先生に提出するわけにはいきません。確定的な技師コメントを提出し、医師から参考になったと思っていただければ、それは技師の一番のやりがいになりますね。
ただし技師に何も知識が無ければ先生の目にも留めてもらえませんし、写真の向上もないかと思います。何千何万と写真を見ていますと、その写真を見ただけでも自然と技師の力量は分かってしまいますからね。
特に外来の受診者様は、何か症状があってセントラルクリニックに来ているので、技師コメントの責任は重いものです。その責任に応えるためにも、私はまず疑ってかかるということを念頭に置いて撮影をしています。どんな方の写真を撮るにしても、異常はないだろうという思い込みは取り払いますね。
技師としてのやりがいは、ある程度写真を撮れるようになったとしても、どの項目においても技術はそこでストップするということはないということです。
これまで私も何千人と撮影してきましたが、特に胃袋は千差万別で同じ胃は全くありません。同じ胃が2つとないのですから、技師の技術には、こうやれば良いという決まった型もありません。それぞれに応用を効かせ、日々撮影しなければなりません。
知識は常に入れなければなりませんし、技術は先輩方から私もまだまだ盗むところはまだありますね。
技師が本来10ある内の2くらいの情報量しかない写真しか撮れなければ、検査の根本がずれてしまいます。異常ありが異常なしになってしまうので、そうならないためにも撮影技術と知識の向上は譲れないところですね。
また私の場合は技師でありながらも渉外業務に携わったこともあって、部署や職種を超えてお話しする機会がありますので、そこではいろいろな知識が得られました。若い年齢で外に出させてもらえ、大きい仕事を任されたことはやりがいとして良かったなと思います。
前職からセントラルクリニックに転職し、何より違ったのは撮影件数が膨大にあったことでした。そして撮影件数に比例して、技師の技術の高さや知識の豊富さにも衝撃を受けました。 同じ年の技師でも、入職当時の私よりも知識が深く、言っていることも医療人としてのレベルの高さを感じました。セントラルクリニックでの専門用語が飛び交う場面を見て、私自身の未熟さも実感しましたし、同じ歳の技師を見てもかっこいいなとも思いましたね。
私の他にも中途採用された人間はいますが、前職でMRIに携わっていた者、CTに携わっていた者など、それぞれに特化したものがあるかと思います。セントラルクリニックではそれだけではなく、技師としてそれぞれの各機器にも明るくなくてはいけません。セントラルクリニックは健康診断施設としては機器が充実していますので学ぶところは多くあるかと思います。自分が一番得意とするバリウムの検査でも、得るところはたくさんありますから、さらに知識を深めたいと思いますね。また、MRIだとかCTだとかの知識もまだまだ学びたいなとは思います。
先輩方の経験知識、経験を教えてもらいつつ、やはり根本は自分から勉強することですね。向上心が無ければ技術の向上もないかと思います。私もセントラルクリニックに入職したばかりの頃は必死でした。
勉強をする環境については、自主的な勉強会への参加をセントラルクリニックは強く勧めていますし、個人的に家でだけ勉強しなさいというような環境では全くありません。勉強のためには機材も使わせてもらえますし、先生にも相談することもできますし、上司にも相談できます。
勉強のためには何でもやらせてくれるという意味では、学びに対し自由があると思いますね。
またセントラルクリニックは検査数が圧倒的に多く、その中で有名な医師に直で質問する機会もありますので、知識や技術の向上にも繋がるかと思います。医師とのコミュニケーションについては、かなり密にできるのではないかと思います。
6年も前の話なのですが、撮影の段階で微小な癌らしきものを発見したことがありました。医師が見逃さないよう一生懸命に撮影をしましたし、医師に対しても精密検査をするよう紹介状を書いていただきたいと技師の私からお願いして、紹介状を書いていただきました。結果、精密検査していただいた病院からやはり癌との診断がありましたが、癌が早期であったため受診者様も事なきを得ました。
その後に受診者様から、「癌が小さいうちにとれたから本当に助かりました」と言われたことは思い返してみても技師冥利に尽きますね。
外部からセントラルクリニックを指し、「セントラルクリニックは良いよね」と、「セントラルクリニックであれば新人でも充分な技術と知識がある」「あそこはレベル高いよね」と言われるまでになるのがひとつの目標と考えています。知識と技術の向上、及びマルチであること、どの機械でも触れるようになるようになること、これらは必須条件です。そのためには当然セントラルクリニックから外に出て勉強をすることも必要です。
新人を教えるにあたりプログラムはありますが、やはりそのプログラムだけでは完結しないのが実情です。撮影した写真も千差万別ですし、撮影する人間も違うものですから、全てを包括したマニュアルは存在しえないと言っていいでしょう。ただし教育の順序は決まっていますので、教育プログラムとして1ヶ月ないし2ヶ月で独り立ちして撮れるようになりましょう、読影や技師チェックをできるようになりましょう、という目標を定めています。
一方教育する我々としても、なかなか新人につきっきりで仕事ができる環境でもないものですから、新人に時間を作るのも教育する側としての課題があるとは思いますね。
こういったものが癌です、こういったものが潰瘍ですという明確な形はあるのですが、明確な形ばかりではなく、淡く色が変わるか変わらないくらいの写真になることもあります。そのような曖昧な部分についても、より正しい判断ができるよう、経験や先輩のアドバイスなどで技術を向上させ判断の精度を上げることが大切です。
以前より、明瞭な事例から、「これはちょっと怪しいな」と思われる曖昧な事例までファイリングを続けています。私どももその方がその後どのように診断されたかを知りたいですし、新人は正常と異常の判別がすぐには分からないかと思いますので、これらのデータを材料とし、勉強を進めて欲しいと考えています。
また私自身の目標としましては、絶えずプロとしての高みを目指したいということがありますね。偏らず、マルチな会話ができる人間が一番プロかと思います。知識も膨大であり、様々な技師以外の内容の話も含めて、やはり外部と会話ができるというのはセントラルクリニックとしてのプロのあり方だと思いますね。